山田じぇみ子さんが読まれる、引きこもりちゃんシリーズの新作です。

引きこもりちゃんと主人公が一緒に暮らすようになったきっかけを描いた少しだけ切なく、とても甘い物語です。
一緒に暮らすきっかけや、引きこもりちゃんの自己否定は悲しく切ないものがありますが、主人公によって「居場所」を得ることができる過程は甘く、ドキドキしてしまうような魅力と、心があたたかくなるものがあります。

シリーズで初めてのR18作品ということで、これまでのシリーズより深く、より濃密な繋がりが描かれています。
R18だからと言って、甘々な雰囲気が損なわれるというようなことはまったくなく、むしろより密接な、蜜月の甘々に、幸せたっぷりな甘みを楽しむことができます。

山田じぇみ子さんが表現力豊かに、弱って、自分を肯定できない引きこもりちゃんの切なく悲しい様子、
主人公との関係性を実感でき、少し元気が出てきた様子、
直接繋がることが出来ず、自暴自棄になるも、主人公に優しく求められ、二人の関係性を実感でき、少し自信を持てた様子、
安心して少し泣いてしまうも、幸せに満ちた様子、
そして、現在の二人の、甘みと幸せに満ち満ちた様子を読まれていて、
引きこもりちゃんの可愛く、切なく、愛おしく、幸せな様子をとてもリアルに実感することができ、物語に引き込まれること間違いなしで、聴けば、愛しさと甘い幸せに包まれることができる、最高の作品です。

シリーズを今まで聴いてきた方はもちろん、シリーズを初めて知った方にも、今作を聴いていただき、引きこもりちゃんの魅力の虜になって欲しい作品です。

そして、素敵で可愛い、引きこもりちゃんのお名前も判明します。

二人だけのアイノカタチを見つけていく作品
今回は「愛の伝え方」がポイントになっています。


一言に誰かを「信頼している」といっても、その度合いは様々で
ああすればそう返してくれるだろうという阿吽の呼吸的な信頼
君が言うのなら本当なんだろうという嘘吐きではないと思える信頼
これを任せれば完璧に仕上げてくれるだろうという能力の高さへの信頼
などなどありますが、どれも基本的には過去のやり取りから生まれるものであります。
いくら相手を信頼していても
やったことがない行動、かけたことがない言葉を口に出すのは勇気が必要です。
だからこそ、相手がそれを乗り越えて勇気を見せてくれたことに対して
私たちは「信頼してくれてるんだな」と思えるのでしょう。

『本当は、ここに来るのも怖かったんだ。
実は他に同居してる人間がいて、私の居場所はないんじゃないかとか、
前に聞いた住所を勝手に使って、怖がられたらどうしようとか……』


性嗜好、フェチ、表す言葉は何でも構いませんが
この作品の中でソレに当てはまるのは「キス」
特に今作では唇を重ねあう狭義のキスにとどまらない展開を見せてくれます

物理的接触ではなく、空気を震わす波と言葉で触れ合う「ささやき」
相手の耳や性器に口づける「オーラルセックス」
舌を絡ませたり吸い付いたりする「接吻」
どれも自らの愛を伝え、興奮へと導く行為です。

通常、人間の性器に相手を傷つける部位はありません。
しかし口には歯がある、言葉が牙になることもある
けれどもその危険を孕んでいるからこそ何もかもがダイレクトに伝わっていく
良いことも悪いことも両方受け止めて欲しいから
【時にぶつかりすり減って そしてまた埋めあっていけばいい】


彼女はきっと、明日もあなたにキスをする。


『だが、私はこんなのが好きなんだ。
こんな愛され方が、こんな風に愛してくれるお前が……な。』

引きこもりちゃんが主人公の家に住むようになった時の話です。ぺるとんさんのR18作品で、しかもあの引きこもりちゃんのエッチな作品ということで、非常に楽しみにしていました!シリーズを通して、普段から主人公としているような描写はいくつも見られますが今回は明確にそのシーンが描かれます。とは言うものの、引きこもりちゃんにとっては初めてになりますので結果はそれなりです。
あまあまでくちびる成分多いのは今回も変わりません。R18指定ですが淫語なしのゆるあまな感じになってます。

ep.1ということなので、ついに引きこもりちゃんの過去が明らかに…!
今までのを聞いて何となく想像はしていましたが、こうしてはっきり明らかになるとズシッとくるものがあります。しかし、だからこそ、これからの主人公との生活の幸福感がさらに強まります。主人公のものになりたいという思いも、健気でかわいかったです。「今まで辛かった分、これからたくさん幸せにしたい」という思いになり、引きこもりちゃんを抱きしめたい気持ちでいっぱいになりました。今回でもっと引きこもりちゃんのことが好きになりました!
あと、個人的にはついに引きこもりちゃんの名前が判明したのがとても嬉しかったです!

薄幸の少女が自分を頼りに一人で訪ねてきた。こんなことされたら見捨てるという選択肢はとれません。山田じぇみ子さんの感情のこもった演技もあって女の子への感情移入が止まらなかったです。

性格のぶっきらぼうで不器用なところが好きになりました。それは幼少期を過ごした環境があまりにも孤独であったことが影響しましたが、その奥にある人の熱への餓えを主人公は満たすことができるでしょうか。

引きこもりでゲーマーでだらしないダメダメな彼女と聞き手が一緒に住むようになった時のお話です。引きこもりの彼女を褒めるのが難しいように、彼女自身自分に対して価値を見いだせていません。聞き手のところにも自分の居場所はないのかもしれないという不安を抱えながらも訪ねてきてくれた彼女を、誰が否定できましょうか。引きこもるだけの理由があるから今の彼女があり、聞き手がいるからこそ彼女も安心できる。そんな過去と今を深掘りした作品になっています。